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アトリエかわしろ一級建築士事務所

Author:アトリエかわしろ一級建築士事務所
「がま口から建築物まで」
日々の生活につながっている モノづくり・住まいづくりのためのデザイン事務所です。

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11月15日(火)

月の子

幾日か降り続いた雨がようやくあがって 「空ってこんなに広いのか!」 と、今更ながら驚くような、そんなさわやかなある日、森のなかでのお話です。

森のなかなのに、なぜかそのあたりだけはぽっかりと原っぱのように空いていて、それでもまわりは大小さまざまな木々たちにまもられて、上空は少々風が強いのかもしれないけれど、ここだけはさらさらと心地よい風が頬なでて、ぽくぽくと浮かんだ雲や、木の葉の間からほがらかに届く日差しの下、音もなくトンボたちが行ったり来たりしている場所を、もしあなたがみつけたとしたら、そこは 「トンボが原」 と呼んでみてもよいような気がするです。

トンボが原に行く方法はたぶん一つ。 よく 獣道(けものみち) などと呼ばれる動物たちの生活道路のようなものが、実はトンボにもちゃんとあって、そこを通ると間違いなくたどり着けるはずなのですが、もちろん空飛ぶトンボに足跡は残りませんから、これを発見するのは、ちょっぴり難しいかも…。

そんな雲を掴むような不確かなひみつの場所の、トンボも森の動物たちもすっかり寝静まった静かな夜が、運良く満月であったとしたら、背後の暗闇からぽつぽつと、昼間はそんなに目立たなかったユズの実が顔出して、不思議に輝いてみえるはず。 それは、少なくともその夜だけは、あの遥か彼方のお月様にはとても届かないかもしれないけれど、この 月の子 たちならば、ちょっと背伸びすると手が届くかもしれないと、親しみ感じてよじ登る子どもたちに、あなたも出会えるかもしれません。

月の子
 「月の子」  カラーケント貼り絵、アクリル

 

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