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アトリエかわしろ一級建築士事務所

Author:アトリエかわしろ一級建築士事務所
「がま口から建築物まで」
日々の生活につながっている モノづくり・住まいづくりのためのデザイン事務所です。

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07月22日(金)

黒谷さん

黒谷さん は、地域の人たちにとても人気があります。

京都の方はご存知だと思いますが、黒谷さんは 人 ではなく 場所 です。 正確には 金戒光明寺(こんかいこうみょうじ) という、鎌倉時代、法然上人によって開山された浄土宗最初の立派なお寺なのですが、皆さんどなたも親しみを込めて 「黒谷さん」 と、そう呼んでいるのです。

黒谷さんはちょっとした丘のような所にあるものですから、山門やお堂や三重の塔などはそれぞれ石段や坂道でつながっていて、土塀に囲まれた塔中(たっちゅう)を訪ねるにも、石畳の小道や昔ながらの未舗装道路が残っているといった、格式ばらない 「素顔のお寺さんの香り」 がそこここに漂っているのです。

周囲には大きな道路もなく、曲がりくねった細い坂道に沿うようにして家々が慎ましく建ち並んでいて、なんとなく 地域とお寺とがつながっている こともあってか、お寺のほうも妙に取り澄ました感じがしなくて、だから逆にちょっと 隙がある というか、 たとえば山門の周囲がなんとなく土のまま開けているので、山門を基地にして子どもたちの遊び場になったり(ぐるぐる走れますから鬼ごっこもできます)、それからお年寄りの皆さんの朝の体操の場になったり(兎に角すごくお元気です) と、人々の暮らしが家からはみ出してお寺の境内の 間(ま) にすっかり馴染んでしまっているかのような。 それは多分 「和」 と表現するのが如何にも相応しい、そういう 理想のコミュニティ が成り立っているように思えるのです。

だからでしょうか。 黒谷さんに足をはこぶと、いつもどこかに自身の居場所があると感じるのは。
そこには立ち止まっていても誰にも叱られない道端があったり、山門を見下ろす石段の途中の木陰の下であったり、あるいは夕日が望める場所であったり。 きっとそれは子どもの頃、いつかどこかでみた懐かしい 「あの場所」 に居るのだと…。

黒谷さん
「黒谷さん」 ペン、水彩

 

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Comment


    
 

No Title

まぁ!絵もお描きになるんですね。
文章もさることながら素敵な絵です!私もようやく時差ボケからたちなおりました。有り難うございます。

 

No Title

実は本当は、誰もがちいさな頃夢中で絵を描いていて、それは純粋な表現であって、喜びでもあったはずなのです。
それなのに、いつのまにか人の目を気にしたり、良く思われたいなんて考えるようになると、とたんに駄目になってしまう。
だから、上手とか下手とか関係なく、割合素直に描いた絵がこころに届くのだということに、ある日気付いたのです。