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アトリエかわしろ一級建築士事務所

Author:アトリエかわしろ一級建築士事務所
「がま口から建築物まで」
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08月01日(日)

クラウドランド(CLOUDLAND)

夏休みのある日のこと。 ラジオの 「こども電話相談室」 に、幼稚園くらいの女の子がこんな質問をしました。

「雷(かみなり)さんは何匹いるの?」 と。

その時、専門家の偉い先生はかなり困惑した様子で、有名な 「風神雷神図屏風(俵屋宗達作の国宝)」 を例に出したり、雷についての科学的な説明をされていたのですが、それが小さな女の子に伝わるとは思えず、何だかもどかしく、悲しい気持ちになったことを覚えています。

「大人とはそういうものなのだよ」 と、そう誰もが答えるでしょうが、絵本 「クラウドランド(CLOUDLAND)」 を描いた ジョン・バーニンガム(John Burningham) は、きっと違う答え方をするでしょう。

クラウドランド
「CLOUDLAND」
ジョン・バーニンガム(John Burningham) 作  (CROWN PUBLISHERS,INC)


CLOUD LAND = 雲 の 国。
これは、山登りの最中に転落事故にあった少年が雲の中に住むこどもたちに助けられ、彼らと共に過ごす雲の国の世界を描いた物語です。

ここで作者は、目の覚めるような 青空の中に浮かぶ雲のグラフィック(写真だと思います。それもとても大きなサイズの) を背景に雲のこどもたちの様子を、実に生き生きと表現しているのです。
これは、以前ご紹介した 「アルド・わたしだけのひみつのともだち」 で試みた コラージュの技法 を見事に昇華させた、素晴らしい作品に仕上がっています。 雲の国の生活は英国流だったのですね。

ところで、この絵本のなかには、雲の国から 雷(thunderstorm) を起こす場面が描かれています。
日本の 「風神雷神」 とは趣を異にするようでもあり、どこか共通するところがあるようでもあり…。
ぜひ、双方の絵を見比べていただきたいものです。

冒頭の 「雷さんは…」 の質問をした女の子に、きちんと答えてあげることができないであろう、もどかしくも悲しい大人たちの一人であろう僕にできることは、彼女にそっとこの一冊の絵本を差し出してあげることくらいです。


◆ご紹介した「CLOUDLAND」は、1996年に日本に先駆けてアメリカで出版された初版本です。 このしばらく後に、日本の出版社(ほるぷ出版)から 「くものこどもたち」 のタイトルで、谷川俊太郎の翻訳により販売されています。
 

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