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アトリエかわしろ一級建築士事務所

Author:アトリエかわしろ一級建築士事務所
「がま口から建築物まで」
日々の生活につながっている モノづくり・住まいづくりのためのデザイン事務所です。

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06月01日(火)

イデー のパズルスクリーン

アトリエの玄関は、こじんまりとした三帖の畳敷きで、靴は外の 靴脱ぎ石 で脱いでから上がる座敷のような様式ですので、さながら 「玄関の間」 といったところでしょうか。
もしこれが旧家であれば、やはり 玄関の間 ですから、 屏風 や 衝立 などを置いて一旦、来客の視線を和らげつつ受け止めるのが 筋 かと存じますが、生憎と旧家でもなければ格式もありませんので、そこは自己流の解釈ということで (写真1) のようなスクリーンを置いています。

イデー のパズルスクリーン
(写真1)


この個性的なスクリーンは、 イデー(IDEE) という日本のインテリアメーカーのオリジナルで、 パズルスクリーン(PUZZLE SCREEN) と呼ばれる製品です。
日本に限らず海外でも 衝立状のスクリ-ン は様々デザインされていますが、そのなかでも パズルスクリーン は一際高い独創性を有しているといえるでしょう。

僅か2種類のパーツはバーチ合板を切り抜いたもので(写真2)、端部に小さな切れ込みが入れてあります。
この切れ込み部を90度にずらして組み合わせることで、ネジや工具を使わず立体的に組み立てる仕組みになっており、積み木遊びを芸術的に進化させた 一種の家具 のような考え方で、 高さや巾をその場に合わせて自由に調整できる という柔軟性を備えている一方、解体すると あっという間 に収納できてしまいます。

イデー のパズルスクリーン
(写真2)


一般的には、大きなワンルームの空間で 適度に仕切りたい 時など、例えば 食事の場 と くつろぎの場 を、気配を遮らないくらいに程よく距離を保つことが可能で、もちろんインテリアとしても魅力的です。
そのように説明すると、何だか外国の生活のような、ちょっと取っつきにくいような印象を抱かれるかもしれませんが(見た目も取っつきにくいかもしれませんが)、僕にはとても 日本的で素直なデザイン に思えるのです。

スクリーンとは本来、頑丈で硬い壁とは違う 「間を仕切る道具」 なのですから、少し曖昧な感じで間合いが保てることが何よりも大切です。
その点、パズルスクリーン という製品は適度にスカスカしているので、視線はそこそこ抜けていってしまいますが、そこには丁度、そう 目にみえない空気の層 が出来上がっているかのようです。 しかし、それは空気の流れを妨げるような冷徹な存在ではなく、もっと柔軟でおだやかなモノです。 何だかとても日本的だと思いませんか。

だから、僕のアトリエのような、古い日本家屋の小さな空間に置かれても、外からの視線を適度に和らげながら、だからといって決して拒絶するわけでもなく、ほんのりと風が流れてゆくような…。
そんな かけがえのない存在 になっているのだということを、日々の暮らしを通して、しみじみと実感しています。

イデー のパズルスクリーン
 

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