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アトリエかわしろ一級建築士事務所

Author:アトリエかわしろ一級建築士事務所
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11月01日(火)

ハロルズギア のジョッパーズパンツ

ジョッパーズパンツをご存知でしょうか。
乗馬用のパンツの一種で、膝上にゆとりをもたせ、ふくらはぎから足首にかけての 体にフィットするようなシルエット が特徴で、乗馬の際の膝を曲げた姿勢に無理がなく、足元がばたつくこともなく、ブーツの着用にも適した実用性の高いスタイルを備えています。
英国の貴族などが乗馬の際は、この種のパンツにジャケットを組み合わせて、たいへんエレガントに着こなしている姿を皆さん、映画等でご覧になったかと存じます。
では、この気品ただよう異国の伝統的な衣類を、オートバイ用として制作し、販売していたメーカーが、かつて存在していたことをご存知でしょうか。 しかも日本のメーカーで、あのジョッパーズパンツを。

ハロルズギア(HAROLD'SGEAR) は、1950~60年代頃の英国製のオートバイに乗るライダーにふさわしい、品格ある大人のためのオートバイ用のウエア等を手がけるブランドとして、1980年代中ごろに誕生しました。
以後、97・8年頃まで、少数派の大人のライダー達のために、こだわりの高いウエアを提供していましたが、その後理由は定かではありませんが、一般受けのする 今風 のデザインに軌道修正したもようです。
確かに、こだわりのある大人のライダーは、モノを大切に手入れしながら使いますから、そんなに頻繁にウェアを買い替えないわけで、販売数には限界があったのかもしれません。
そういう僕自身も、十数年前に購入した ジョッパーズパンツ を、今でも大切に所有していますから。

ハロルズギアのジョッパーズパンツ

乗馬の場合は、おのずと膝を曲げた姿勢になりますから、立ち姿勢を前提につくられた通常のパンツでは、膝が突っ張ってしまい不都合が生じますが、ジョッパーズパンツはこの問題を解消しているわけです。
実は、オートバイの乗車姿勢も、乗馬のそれに近いために同様の問題が発生し、足元のすっきりしたジョッパーズのスタイルはライダーにも都合がよいという理屈になり、英国貴族のアウトドア・スタイルもあながち 的外れ ではないということになります。 何しろオートバイを 「鉄の馬」 にたとえることもあるくらいですから。

ハロルズギアも、そのあたりは熟慮した上で、街中での(オートバイを降りての)使用でも違和感を与えないよう、太ももまわりのゆとりを最小限に抑えつつも、膝頭のあたりを立体的に縫製して巧みに窮屈さを解消していますし、前面のポケットに取り付けたファスナーの金具がオートバイのタンクやシートを傷つけないよう、アクセントを兼ねて、レザーで包むような、手間のかかるつくりにしてあります。
また同じような理由で、足元に取り付けられたファスナーは、体のラインにフィットさせる機能とあわせて、レザーのパイピングで裾まわりを効果的に引き締めています。

ハロルズギアのジョッパーズパンツ

足元のファスナーが、側面ではなく背面に取り付けてありますが、これはファスナーの金具とオートバイ本体との接触を避けるための配慮です(走行中に足首でオートバイを挟み込むようにすると一体的に操作ができるため)。

僕の知る限り 「オートバイとジョッパーズパンツ」 という組み合わせ、後にも先にもハロルズギアだけだったのでは…。 ひょっとすると、ファッションのコーディネートが難しいために敬遠されてしまったのかもしれません。
乗馬よりも高速走行となるオートバイでは、走行する際の風圧に対して配慮する必要があり、一般公道では排気ガスの影響も考えなくてはなりません(結構汚れます)。 いつものジャケット というわけにもゆかないのです。
しかし、着こなしが難しい と焦ってみたところで仕方がありませんから、この際、歳を重ねながら こころの引出し を増やしてゆきたいと思います。
それまで大切に使います。 ジョッパーズ。 できれば乗馬も…。
 

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