プロフィール

アトリエかわしろ一級建築士事務所

Author:アトリエかわしろ一級建築士事務所
「がま口から建築物まで」
日々の生活につながっている モノづくり・住まいづくりのためのデザイン事務所です。

検索フォーム

01月01日(日)

庭の手水鉢

アトリエとして使っている町家の座敷から縁側をはさんで、ちょうど京間の四畳半くらいの広さのちいさな庭の隅っこに、 手水鉢(ちょうずばち) が据えられています。

庭の手水鉢

お茶をたしなまれる方にとって手水鉢は、茶事に際し、そこに満たされた水で手を洗い、口をすすぎ、心身を清めるための大切な装置、つまり 蹲踞(つくばい) となるわけですが、ここはもともと庶民の住宅です。 トイレへと渡る縁先に置かれているのは、生活道具として、日常的に使われていた 名残り なのかもしれません。
しかし、それは昭和のはじめ頃のお話です。
おそらく、僕が越してくるまでの長い間、この手水鉢は水穴の底に濁った水を溜めたまま、誰の役に立つでもなく ぽつん とたたずんで過ごしていたのでしょう。

以来僕は早朝、この手水鉢に新鮮な水を満たすことが日課となり、やがて庭の木々を映し出す水盤のような存在となりました。
すっかり本来の輝きを取り戻した手水鉢。 折角ですし、柄杓(ひしゃく)を用意して手水として使おうかな などと思案している間に、近所の小鳥たちに先を越されてしまいました。
どうやら、彼らには鉢のカタチや水穴の深さが実に都合よく出来上がってるらしく、水を飲んでのどを潤したり、水浴びしたり と、存分に活用しているのです。 この庭は、建物や塀に囲われ、適度に軒や樹木に覆われているために、外敵から襲われる可能性が低い環境にあるらしく、なかなかお気に入りのようすなのです。

庭の手水鉢

「コロコロ」 と、ちいさな鈴を転がすような声とともにメジロ達が連れ立ってやって来ると、「パチャパチャ」 と水浴びしてゆきます。 そのお礼に、木々のあちこちから虫をついばんでくれたりもします。
「ピーピー」 とやって来るヒヨドリは大変なきれい好きとみえて、繰り返し水浴びしてゆきます。 こちらは 「バチャバチャ」 と周囲を毎日水浸しにしてゆきます。

野鳥に詳しい方に話すと笑われてしまいそうですが、ヒヨドリは真冬でも寒くないのか、平気で水浴びしているのです。
早朝の気温が氷点下近くまで下がると、たまに鉢の水が凍ることがあるのですが、そういう場合は、彼らが水浴びしやすいように、僕があらかじめ氷を割っておくのですが、氷点下3度くらいまで冷え込んだ日は、氷が厚くて割れなかったりします。
それでも寒くないのか、それとも余程水浴びが楽しいのか、いつも通りにやって来たヒヨドリは、凍った水面に気づいてしばし呆然と立ち尽くしていましたっけ。 ぽかんと口をあけたまま。

しかし皆さん、彼(彼女でしょうか)に同情する必要はありません。 翌日に思う存分周囲を水浸しにして帰りましたから。
 

Trackback

URL :
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 

Comment


    
 

No Title

あけましておめでとうございます。
ちょこちょこではありますが、ブログ目を通させていただいてます。
新年もよろしくお願いします。

 

No Title

セージ様。いつもご訪問いただき、ありがとうございます。
月に2回程度の更新になりますが、本年もよろしくお願いいたします。