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アトリエかわしろ一級建築士事務所

Author:アトリエかわしろ一級建築士事務所
「がま口から建築物まで」
日々の生活につながっている モノづくり・住まいづくりのためのデザイン事務所です。

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07月01日(木)

ニール バレット と イッセイ ミヤケ の白いシャツ

真っ白なコットン100%のシャツ。

ここにある2枚のシャツは、生まれも育ちも異なる、親子くらい歳の離れた2人のデザイナー(とクラフトマンたち)がつくり上げたモノです。

ニールバレットとイッセイミヤケの白いシャツ

一見同じような、普段見慣てしまったようなシャツも、実はつくり手によって、着心地からまったく違ってしまうものなのです。あたかもその人自身を映し出す鏡のように…。

ニール バレット(NeIL BarreTT) は、3代続く英国のテイラー職人の家に生まれました。
彼は若くして幾つかの有名ブランドでの仕事を成功に導き、イタリアで自身のブランドを立ち上げます。その仕事は一貫して、着る人の体の複雑なカタチに添うような、繊細で美しいラインを描いています。

一枚の布をパーツに分解し、人の体をトレースするかのように構成してゆく縫製技術は、美術や建築同様、西洋の歴史の積み重ねの延長にある 伝統 から紡ぎ出され、創生されたに違いありません。

ニール バレット
ニール バレット の白いシャツ


イッセイ ミヤケ は、美術大学を卒業後、単身フランスへ渡り、自身の血統である東洋的な観念を、異なる西洋のファッションに取り込み、融合させることで、西洋人には真似のできない、彼独自のスタイルを確立します。

人体へのフィット感を突き詰めるニール バレットの表現に対し、イッセイ ミヤケ は、一枚の布を体に纏う(まとう)ような感じ といったらよいでしょうか。 衣類とからだの間には 適度な空気の層 があり、その みえない空気 が洋服のカタチとして成立しているのです。
一見、体にそぐわないかと思われる衣類は反面、布固有の色彩や素材感を与えることで、多彩な表情を醸し出すことが可能となります。

イッセイ ミヤケ
イッセイ ミヤケ の白いシャツ


フィット感の高い ニール バレットのシャツは、高度なデザインと縫製技術ゆえか、窮屈さとは無縁で、限りなく体の一部に近い存在となりますが、隙のない 完成されたシルエットに見合ったパンツやジャケットを慎重に選択する必要があります。

大らかな イッセイ ミヤケのシャツは、ニール バレットの細身のパンツにも、リーバイスの501にも自在に組み合わせできる 懐の深さ があるようです。

なんだか対象的な感じの2枚のシャツですが、どちらも反発することなく、仲良く並んでもおかしくないように僕の目には映るのです。
きっと二人とも、人種や国境を乗り越えて、着る人のためにモノづくりをしているからではないでしょうか。

 

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