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アトリエかわしろ一級建築士事務所

Author:アトリエかわしろ一級建築士事務所
「がま口から建築物まで」
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04月01日(木)

北白川

北白川は、京の都から琵琶湖へとつながる旧い街道の面影を残すところ。 白川女(しらかわめ) の里です。

白川女は、山野に咲く草花を洛中に売り歩く里の娘さんのことで、川端康成の 小説 「古都」 のなかで、中京の呉服問屋のお嬢さんとの、ごく日常的な京言葉のやりとりが、それはそれは美しく表現されていて、深く心に残っています。

「古都」 が執筆されたのは、昭和30年代のことで、作者自身、次第に失われつつある京の情緒を作品として残されたものと思われますが、僕も確か、十数年前に一度だけ、白川女を市中でお見かけしましたが、現役最後の方ではなかったかと記憶しております。

里の氏神様、北白川天神宮は、白川の流れを渡った向こう側にあり、石橋は地元の石工の精緻な仕事によって支えられています。 そう、ここは石工の里でもあるのです。

春、桜の花びらが舞い落ちる白川が、清らかな白砂の上をさらさらと流れていたのは既にいにしえの物語となり、かちかちのコンクリートで覆われた水路は危険だからと隔離され、かつて日々の生活のそばにあった水の流れは、近くにありながら手の届かない存在になっていしまいました。

描かれた風景は、かつての里の素顔を想い写したものであり、娘さんの持つちいさな草花は、僕からのささやかな贈り物です。

北白川
「北白川」 ペン、水彩

 

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