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アトリエかわしろ一級建築士事務所

Author:アトリエかわしろ一級建築士事務所
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03月01日(月)

下鴨神社の流し雛

京都の原生林のおもかげを残す 糺の森(ただすのもり) の奥にある、下鴨神社の境内では、桃の節句にあわせて3月3日に 「流し雛(ながしびな)」 の行事が催されています。

人形(ひとがた)にケガレを託し、川や海に流すおこないは、平安時代にまで遡ることができ、雛人形を川に流して厄を払い、子どもの無病息災を祈願する流し雛の行事も、地域によっては古くから伝えられているようです。

「下鴨神社の流し雛」 は歴史も浅く、土着的な行事ではないのですが、絵のように美しい境内のほとりの、清らかに湧き出る水から生まれた 御手洗(みたらし)川 を流れるお雛様のために、いかにも相応しい場所に違いありません。

お雛様は、色紙を使った簡素な二体男女の人形で、これまた簡素な桟俵(さんだわら)に乗せられた可愛らしいものです。

3月3日には、石の段々を川辺に降りて、そっと水面(みなも)にお雛様を浮かべ、両手をあわせ祈りをささげると、ちいさな人形は一年分のケガレを引き受けて音もなくゆらゆらと旅立つのです。
祈る人の数だけ、多くの人のつらかった事、悲しかった事などを一切引き受けて、あの梅の花咲く朱の太鼓橋の下をくぐって、いくつもいくつも流れてゆくのです。

もちろん流れの外は多くの人たちであふれていることでしょう。
でも、皆が託したお雛様たちは、どこまでも静かに流れているはずです。 瞼を閉じても消えることなくいつまでも。

下鴨神社の流し雛
「下鴨神社の流し雛」 ペン、水彩

 

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