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アトリエかわしろ一級建築士事務所

Author:アトリエかわしろ一級建築士事務所
「がま口から建築物まで」
日々の生活につながっている モノづくり・住まいづくりのためのデザイン事務所です。

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08月15日(月)

ガラスボウル

天使の輪のようにきらきら輝く縁まわりを与えられたガラスの器。

城谷耕生デザインの ガラスボウル(Glass Bowl) は、あたかも大理石から切り出された彫刻のような、どっしりとしたカタチをしていますが、混ざりけのない透き通ったガラスでつくられているので、やはりどこか天使のように軽やかで清楚な印象が漂っています。

ガラスボウル

このような器には、色とりどりの新鮮な果物を盛り付けるのに好いですし、いつもの朝食のヨーグルトや、時にはアイスクリームを食べるのに使っても、もちろん大丈夫です。

天使の輪のひみつは、ガラス職人さんによる 吹きガラス の技術にあるようです。
ただ一回きりの吹きガラスでは、輪の厚みが十分にできないので、型を使わず宙空で、手吹きによって、幾重にも層をかさねることで、このような表現がはじめて可能となるのです。

正直申しますと、ガラス制作の高度な工程などみたこともない僕に、現場のようすをしっくりと思い浮かべることなどできようはずもありませんが、それでも念入りに磨き上げられた縁まわりをみるにつけ、何かの拍子にある日突然発見された 地層 にのみ語ることを許される、深い深い 途方もない時間の蓄積 を想像することはできます。
ガラスの地層 は透明なので、そのままでは目にみえませんが、光を受け入れることで思わぬ輝きを発見し、ここに 時間の蓄積 が封じ込められているのだということに、ようやく気付かされるのです。

饒舌な器 があふれ返っているなかで、このような 寡黙な器 のひみつに気付く人は高が知れている と、世間では評価されるかもしれませんが、それでもめげずにポクポクと、職人さんの息吹きから生まれる天使の輪が、少しずつ少しずつ皆さんに幸せを届けてくれることでしょう。